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【初心者向け】ビオトープをはじめよう!その①【準備編】

2021年4月8日

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【初心者向け】ビオトープをはじめよう!その①【準備編】

2021年4月8日

こんにちは!Mizukusa Newbieです。

いよいよ春になり、様々な命が芽を吹きはじめる素敵な季節になりました。

そんな自然の営みをギュッと凝縮したのがビオトープです。

このシリーズではこれからビオトープを始めてみようかなとお思いの方向けに、準備するものや実際の立ち上げ方、維持管理の方法まで詳しくご紹介していきたいと思います。

そもそもビオトープとは

美しく生した苔

ビオトープ(独: Biotop)あるいはバイオトープ(英: biotope)は、生物群集の生息空間を示す言葉である。日本語に訳す場合は生物空間(せいぶつくうかん)、生物生息空間(せいぶつせいそくくうかん)とされる。語源はギリシア語からの造語(bio(命) + topos(場所)。転じて、生物が住みやすいように環境を改変することを指すこともある。

さらに、ちいさな水辺などに水草や抽水植物、小魚等を飼育する環境を「ビオトープ」と呼ぶ語法も出てきている。

Wikipediaより抜粋

このようにビオトープという言葉は生物生息空間の保護・環境保全といった観点から使用される場合や、単に睡蓮鉢などに水草等を植えて自然の生態系を創作・再現する場合などに使われます。

私が言うところのビオトープは後者の限られた空間に自然の生態系を創作する側のビオトープです

ただしこういった創作としてのビオトープを教育や学習の場で使用することもあるようで、結局は生物生息空間の保護、環境保全という本来の目的にも通じていくものでもあると思います。

私が子供のころはこういうのを箱庭と言っていましたが現代風箱庭=ビオトープとも言えますね。

水草や植物が茂り、魚たちが泳ぎ、虫たちが寄ってくるそんな自然の生態系を小さな空間に再現する。

最高の癒しの空間”ビオトープ”を今年も始動させたいと思います。

ビオトープ作りに必要なもの

容器は究極何でも良いがトロ舟か睡蓮鉢がベター

ビオトープだけでなくメダカの飼育容器としても大活躍のトロ舟

基本的には屋外であること、上から鑑賞すること、水深がそこまで必要でないことからトロ舟睡蓮鉢を使用するのが良いでしょう。

トロ舟とは

セメントやコンクリートを練るときに使うプラスチックの容器のこと。20Lから120Lくらいまでの容量展開があり、ホームセンターをはじめネットショッピングでも購入可。

プラスチック然とした外観からあまりオシャレな感じには見えないかもしれませんが、水草やメダカなどが入れば見違えるように素敵なビオトープになります。

どうしても気になる方はレンガで囲ったり、木枠を作って覆ってあげればこれまたオリジナリティー溢れるビオトープに変身です。

DIYも楽しみの1つです

ちなみに睡蓮鉢にも陶器製のほかにプラスチック製もあります。

私も主にトロ舟とプラスチック製の睡蓮鉢を使用していますが、割れるなどの心配をしなくて済む、軽いといったメリットから大変重宝しています。

頑丈で軽いというのはとても大切なことです。

屋外でなくベランダ等に設置される方もいらっしゃると思いますが、そうなればどれだけでも軽いほうが建物的にも負担が少なくて済みます。

また水を入れた状態でどうしても少し移動させたいといった状況が発生したとき、プラスチックならズリズリと引きずって移動することも可能です。

そういった意味でも先ずはトロ舟かプラスチック製の睡蓮鉢でおためしになってみてはいかがでしょう。

ココがポイント

購入する際は可能な限り容量の大きなものを選択されるのがいいと思います。水量が多ければ水温の変化や雨水の混入による水質の変化などが少なくて済みます。水草もメダカなどの生体も環境の急激な変化には弱いものです。

低床には赤玉土を使用するのが一般的

赤玉土の良いところは何と言ってもとても安価であるということです。

ホームセンターに行けばほんの数百円で必要十分な量を手に入れることができます。

赤玉土は水草を植えるのはもちろん、バクテリアの棲み処ともなりますので非常に重要な存在です。

ココに注意

ビオトープといえども環境、水草の量、生体の数などから水の汚れ方はずいぶんと変わってきます。水換え不要な場合もあれば必要な場合もあるでしょう。いずれにせよ水をキレイにしてくれるバクテリアの存在はとても重要です。赤玉土や石などのバクテリアの棲み処を沢山用意しましょう。

もしあまり大量の土を使用したくないといった場合や掃除を楽に出来るようにしたい、コンセプトが決まっておらず配置替えをする可能性があるといった方は写真のように小さな鉢に水草を植えて舟などに沈めるという手もあります。

自然観という点では劣りますが、それを補って余りあるメリットもありますのでお好きなほうを選択されると良いでしょう。

水草は様式の違うものを選んでバランスよく

睡蓮鉢を使用したビオトープ

水草(水生植物)にはその生態によって以下の種類があります。

  • 浮漂植物・・・水底の土に根を張らずに浮遊葉または茎状葉で水面に浮かんでいるもの。
  • 沈水植物・・・植物体の全体または大部分が水中に沈んでいるもの。
  • 浮葉植物・・・水底の土に根を張り、浮葉と水中葉で水面に浮かんでいるもの。
  • 抽水植物・・・水底の土に根を張り、茎や葉の一部または大部分を空中に伸びているもの。

前景には浮漂・沈水・浮葉の水中及び背の高くならない植物を、後景には背丈の高くなる抽水植物をチョイスすると全体のバランスがとれて素敵なビオトープになります。

浮漂植物の代表種はホテイアオイやアマゾンフロッグピッド、ウキクサなど

メダカとの相性も抜群のドワーフフロッグピット

これらの植物はどれも繁殖力が強く、放っておいてもどんどん増殖していきます。

メダカの日除けにもなりますし、何より産卵床としてのホテイアオイは例えば人工の産卵床とは比較にならないほど優秀です。

ただし、増えすぎて扱いに困ることも。

特にウキクサはその細かさゆえにのちのち厄介な存在になるかもしれません。

金魚などのエサにはなりますが、メダカは食べません。

増えすぎて鑑賞の邪魔になる可能性もありますし、処理に追われることになりますのであまりおすすめはしないです。

増えすぎても対応しやすいホテイアオイアマゾンフロッグピッドが良いでしょう。

注意ポイント

これらの植物はそもそも外来種であったり、その繁殖力ゆえに生態系を壊す可能性があります。増えすぎて困っても近くの池や田んぼなどに捨てるのではなく、きちんとゴミとして処理するようにしましょう。

ちなみにMizukusaNewbie的にはドワーフフロッグピッドがかわいらしくておススメです。

沈水植物はマツモやアナカリスなど

水質浄化能力も抜群のマツモ

水に沈めるだけのお手軽な水草である沈水植物は抜群の水質浄化能力も持ち合わせています。

代表的なのはマツモアナカリスなどです。

非常に丈夫で難なく冬を越すほどです。

”マツモ神”なる言葉があるように、特にマツモは増殖力も高く、見た目も涼し気でさらにメダカの産卵床にもなるという万能さ。

値段も安く、入手も容易であるので初めての方にはうってつけの水草ではないでしょうか。

一度は育ててみたい睡蓮などの浮葉植物

水上に浮かぶ丸い葉と可憐な花がなんとも涼し気な睡蓮に代表される浮葉植物。

やはりビオトープといえばこの浮葉植物は外せません。

開花期間も長く、存在観もあり、メダカの日除けにもなります。

根茎がしっかりと土の中にあれば冬を越すのも容易で、次のシーズンには株分けをして増やすことも出来ます。

ひとくちに睡蓮と言っても様々な種類があり、ご自身の好きな品種を選んで育ててみるのもおもしろいのではないでしょうか。

コウホネなどもおススメです。

抽水植物で存在感と華やかさを

可愛らしいオモダカの花

トクサやフトイといった細くて長いものや、オモダカカヤツリグサなどの花をさかせる水草を植えて全体のバランスを整えましょう。

細長い植物が風に吹かれてそよそよと揺れる様子はとても涼しげですし、トンボなどの昆虫が葉先にとまればまさにそこはビオトープです。

それこそ花を咲かせる抽水植物は多種多様で、お好きな花を咲かせて楽しむことができます。

上に挙げたオモダカやカヤツリグサは丈夫でよく育つため初心者におすすめです。

しかし丈夫で良く育つということはイコール自然の脅威にもなりうるということですのでやはり処理する際は気を付けなければなりません。

生体はメダカが育てやすくて良い

紅葉の季節のメダカ

ビオトープに生体を入れるならなんといってもメダカがおすすめです。

もともと在来種であるため日本の気候によく順応します。

メダカについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

参考【比較してみた】メダカを飼うなら屋外?それとも室内?【良い点悪い点】

今回はメダカについて、屋外飼育でわかったこと屋内飼育でわかったことをそれぞれまとめていきます。

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水温の適応範囲が広く水質の悪化にも強い。

種類や値段も多種多様で選択の楽しみがある。

そして何と言っても自分で繁殖させて増やしたり、色や柄を固定させたりすることが出来るという他の魚にはなかなか無い魅力があります。

また、メダカは基本的に上から見ますので同じく上から鑑賞するビオトープにはうってつけです。

水草のなかを涼し気にスイスイと泳ぐメダカを眺めればきっと時間が過ぎるのを忘れてしまうことでしょう。

日除けにはヨシズが最適

真夏になると気温も高くなり日差しも強くなります。

そうなると水温も上がり、植物にも生体にも影響が及びます。

アオミドロといった鑑賞の邪魔になるコケや、いくら高温に強いとは云え高過ぎる水温はメダカにも負担になります。

そこで日除けにヨシズを用意すると良いでしょう。

カンカンと照りつける直射日光をちょうど良い感じに和らげてくれます。

また少々の雨なら防いでもくれます。

軽いので扱いも楽安価入手かんたんと三拍子そろったヨシズを使って夏の暑さ対策は万全です。

次回は実際に立ち上げながらの実践編をお送りします

さて以上でひと通り必要なものが揃いました。

これだけあればすぐにでもビオトープを始めることが出来るでしょう。

次回は実際に立ち上げを行いながら注意点や、あると便利なグッズなどの紹介も含めて記事にしたいと思います。

ビオトープは実際に鑑賞することはもちろんですが、それに至るまでのコンセプトやデザインの構築、植物の選定など準備段階もまたその魅力の一つでもあります。

この冬の冬眠期間中に私も色々と今シーズンのビオトープについて考えをめぐらしましたので、それを具現化すべく作業にとりかかりたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!

次の記事
【初心者向け】ビオトープをはじめよう!その②【立ち上げ編】

前回のビオトープを始めよう~準備編~に引き続きまして、今回は実際に立ち上げ作業に取り掛かっていきます!

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