こんにちは!MizukusaNewbieです。
私はこれまでに25・30・45cmと、いわゆる小型水槽に分類される水槽を多く使って水草水槽を楽しんできました。
小型水槽には大小様々なメリットがある反面もちろんデメリットもあります。
今回はそのデメリットを極力抑えながら”とにかく簡単でらくちんな水草水槽を作りたい!”というテーマのもとに立ち上げた30cmキューブ水槽をご紹介します。
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小型水槽のデメリットについて
小型水槽のデメリットの1つにトリミングのしづらさがあります。
水槽が小さいが為にハサミを入れにくかったり、そもそも腕自体を水槽に入れるのが難儀だったり。
さらには水槽の高さがないことで水草のトリミングのタイミングが早く来る。
そして水量が少ないが故にトリミングの影響が水質に顕著に現れます。
これが水草水槽の大敵であるコケの発生等につながるのです。
それを解消するにはフィルターの濾過能力を上げればよいのですが、小型水槽向けとなるとどうしても選択肢が少なくなってしまいます。
このデメリットを解消するためのコンセプト
使用する水槽は30cmキューブ水槽
小型水槽では最もメジャーといって良い30cmキューブ水槽を使用します。
同じ30cm水槽でも規格サイズと比べると水量にかなりの余裕があります。
値段は両者の間でさほど差がありませんのでどうせ導入するならキューブ水槽が断然おすすめです。
ソイルは使わず前面化粧砂で

低床にソイルを使ったレイアウトの例
水草を育てるには”ソイル”という丸い粒状の土を固めたものを使うのが一般的です。
”栄養系ソイル”といわれる水草の為の栄養素をふんだんに含んだものや、”吸着系ソイル”といわれる栄養素はそこまでないものの余分な栄養素や水の濁りを吸着してくれるものがあります。
しかしどちらも効果には持続時間があり、その期間を超えるといわゆるソイルの劣化が始まります。
またソイルは土を固めたものですので、時間の経過などによってその形状が崩れ泥状になってしまいます。
泥状になったソイルはもはや水草の生育には向かず悪影響ばかりが目立つようになります。

化粧砂とソイル両方を使用した敷き分けレイアウトの例
その期間約1年から1年半ほどで限界が来ます。
そうなるとソイルの全面交換あるいは部分交換が必要になってきます。
水草がこれでもかと沢山植栽されていたり、流木や石などを動かすことが出来ないレイアウトを組んでいる場合はとても厄介な作業になることでしょう。
ですので今回は全面を化粧砂にすることによって、水槽管理を難しくさせる”ソイルの劣化”という要因を取り去っています。
陰性水草を活着させた石や流木を用いて組み立て式に
ソイルを使用しないということは基本的には水草を植栽しないということになります。
その代わりにウィローモスやミクロソリウムといった石や流木に活着させることが出来る陰性水草を使用します。
これらの陰性水草はロタラなどに代表される陽性水草と比べて成長自体も遅い為、トリミングの頻度も減り維持が楽になります。
それぞれの種類の陰性水草を石や流木などのピースに活着させてブロックのように組み合わせていく。
トリミングしたいなと思ったらそのピースだけを取り出して再び戻す。
これだけでもかなり管理が楽になるはずです。
ろ過フィルターはワンランク上のものを使用する

エーハイム・2213を使用
ミクロソリウムやウィローモスなどは有茎草などと比べて水質浄化能力は低いとされています。
それを補う為にろ過フィルターは対応サイズよりワンランク上のものを使用したいところです。
例えば私は30cmキューブ水槽にはエーハイム2213を使用しています。
こちらのろ過フィルターは45cmから60cm水槽対応のろ過フィルターですが、工夫次第で30cmキューブ水槽にも使用することが出来ます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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手軽さを求めるならばCO2の添加はなくてもよいが
基本的に陰性水草中心ですのでCO2の添加は必ずしも必要ではありません。
ですが水草の成長スピードや水草のそのものの美しさを求めるのであれば添加を検討してみても良いかもしれません。
とは言えボンベを使用した本格定な添加キットを導入するのはどうかなとお思いであれば、とりあえず発酵式CO2添加をお試しになってみてはいかがでしょうか。
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今回は化粧砂をキレイにするために全て取り出してみます
こちらが現在の30cmキューブ水槽の様子です。
化粧砂にだいぶんと汚れが蓄積しています。
パイプや拡散器の掃除と左前部の南米ウィローモスもトリミングしたい。
という訳で日頃の掃除では出来ない全面的な大掃除の為に順番に全てを取り出してみたいと思います。
その過程でこの水槽が”かんたんで楽ちん”な理由を解説していきます。
一番上にはビニタイで組み合わせた流木
先ずは一番上に乗っけているだけの流木を取り出します。
この流木は2本の流木をビニタイで固定して1つにしています。
ちなみに流木には何も水草を活着させていません。
何故なら石よりも活着作業やトリミングが面倒だからです。
本当は流木にもモス類を活着させたほうが雰囲気は出るのですが、この水槽のコンセプトは”とにかく楽ちんに”です。
中景にはアヌビアスナナ・プチを
アヌビアスナナは陰性水草を代表する種類です。
私は30cmキューブ水槽用に少し小さめの”プチ”を選んでいます。
可愛らしいグリーンの丸い葉がなんとも涼しげです。
CO2の添加がなくても育ちますし、とにかく丈夫です。
しっかりとヤマトヌマエビを入れておけばコケについてもある程度心配ありません。
前景にはモスを4種類
それぞれ溶岩石にモスを4種類活着させています。
ウィローモス、南米ウィローモス、ウォーターフェザー、プレミアムモスです。
それぞれ単独で石に活着させていますので各々の成長頻度に併せてそれだけを取り出してトリミングすることが出来ます。
モスは水中でトリミングをするとどうしてもカスが散らばってしまい、余計なところに活着する可能性があります。
この方法であれば別のバケツなどを使ってそういった心配をすることなく安心してトリミングが出来ます。
後景にはミクロソリウムのニードルリーフとウェンディロフ
後景の大きな石にはミクロソリウムを2種類活着させています。
少し背の高くなるニードルリーフとギザギザの葉先が存在感のあるウェンディロフです。
ミクロソリウムに関してもCO2は必ずしも必要ではありませんし、水温が高くなった時に起きやすいシダ病にさえ気を付けておけばとても育てやすい水草です。
成長が遅いのでコケが付きやすいですが、もしそうなってしまったとしても取り出して直接木酢液などで処理することの出来きる丈夫な水草です。
全てが取れると掃除や熱帯魚の移動が簡単
とにかく掃除をするのにこれほど楽なことはありません。
邪魔するものが無いので熱帯魚を網ですくって移動させるのも簡単。
流木や石があると隠れてしまったりして網がひっかかってしまったりしてとにかく難しいんですよね。
低床や壁面の掃除を何にも気を遣うことなくガシガシと行けます。
水草が生えていたり生体がいる水槽ではどうしても掃除残しが発生しますが、この組み立て式水槽ならば徹底的に隅々まできれいにすることが出来ます。
これが何よりも一番のメリットかと思います。
あとは順番に組み立てていくだけ
掃除やトリミングが終わったら再び組み立てて元に戻していきます。
減った分の化粧砂を追加。
後は先ほどの逆の順番で設置していくだけ。
もちろん完全に元通りにしても良いですし、前の水景に少し飽きたら少し配置を変えたりして楽しむのも良いでしょう。
このようにすべてがキレイになって元通り。
低床がキレイだとホントに気持ちいいですね。
最後に
”とにかく簡単でらくちんな水草水槽”がどのようなものかお判りいただけたかと思います。
ただし陰性水草が中心ですので赤系の水草を植えてみたい!とか、芝生のような前景草を楽しみたい!とかは基本無理です。
陰性水草中心ですのでどちらかいえば地味な水景になってしまいます。
しかし、そこは少し派手目な熱帯魚を入れて鮮やかな感じにするなど工夫次第で何とでもなります。
何より水草水槽を始めるとついついあと1つ2つと水槽が増えていってしまいます。
そんな時に1つでも”簡単でらくちんな水槽”があれば、水換えや掃除の際に手間が少し減ってみなさんの負担も減ることでしょう。
”とにかく簡単でらくちんな水草水槽”、おススメです!