こんにちは!MizukusaNewbie的水草図鑑。
水草水槽、強いてはネイチャーアクアリウムの魅力といえば、水槽という限られた空間の中に凝縮された圧倒的な自然にあります。
その自然感を表現する素材として実に効果的なのがモス=苔類です。
あるいは流木に、あるいは岩に活着させることであなたの水景をワンランクもツーランクもグレードアップさせてくれるでしょう。
今回はそんなモス類の中でも特にメジャーな種類と育成方法等をご紹介します。
CONTENTS
モスの育て方
光について
これほモス全般に言えることですが、あまり強い光を好みません。
あまりにも光が強い環境では茶色く焼けてしまったり、生育不良を起こします。
かと言ってまったく光が必要でない訳でもなく、やはり同様に上手に育ちません。
水槽の下部、すなわち光から最も遠くにある位置や、少し他の水草などの陰になるような場所に活着させると良いでしょう。
栄養について
光と同様、あまり豊富な栄養も好みません。
むしろ貧栄養素下でゆっくりじっくりと育てたいところです。
液体肥料に関しては他に有茎草を植えている場合であれば基本そちらに合わせればよいですが、モスやシダ類などの陰性水草のみのレイアウトの場合はごくごく少量を与えましょう。
私は規定量の3分の1程度を何日かおきに施肥します。
水草水槽の場合、肥料は少ないよりも多いほうが弊害が多いと感じます。
もし生育不良を疑う場合は光量やCO2の有無、水質などを見直しましょう。
CO2について
有茎草と違って成長が遅いモス類はそこまでCo2の要求量が多い訳ではありません。
添加のない環境でも育成する事は可能です。
例えばボトルアクアリウムなどがその好例です。
ただし、やはり添加したほうがより綺麗に育成出来ることは間違いありません。
陰性水草のみのレイアウトの場合、添加量は60センチ水槽であれば1秒に1滴で十分です。
水質など
他の水草同様、基本的には弱酸性の低硬度の水質を好みます。
特に高度が高い場合、育成不良に加えてコケの被害にも遭いやすいです。
茶色っぽいコケがつくと生育不良を起こします。
水温については他の陰性水草同様、低水温のほうが元気に育つ印象です。
具体的には23℃から24℃くらいがちょうどいいでしょう。
充分な濾過と適度な水流
陰性水草は育成が簡単であると言われることがありますが私自身は全く逆な印象を持っています。
成長の早い有茎草が多少条件が悪くてもある程度育つのに対して、モス類をはじめミクロソリウムなどの陰性水草は条件が悪いと機嫌を損なってしまうことが多いです。
その中でも特に水の綺麗さと水流が大切です。
すなわちバクテリアが定着したしっかりとした濾過環境作りと、水の淀んだところを無くす適度な水流作りです。
これらは現在の水槽の対応サイズよりも少し大きめの濾過フィルターを使用することで解決することが出来ます。
こちらの記事では吐出口の違いによる水流について紹介しています。
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コケについて
モスは成長速度が遅い為、コケの被害に遭いやすいです。
珪藻類や髭ゴケ、アオミドロ等々あらゆるコケが容赦なく付着します。
予防のためにはとにかく肥料を添加しすぎないこと、前述したようにきれいな水を作ることが出来る濾過環境の構築、エサの与え過ぎに気を付けることが重要です。
そしてコケ取り生体であるヤマトヌマエビやオトシンクルスなどを多めに投入しておくことです。
また、Co2の過添加もコケの原因になりますので十分に気を付けます。
どうにもならないようになった場合は根元からカットすることも選択肢です。
モス類はとても丈夫なので環境がよければ再び生えてきてくれます。
詳しいコケの退治方法についてはこちら。
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モスの活着方法について
使用するもの
モスを活着させるにはモスコットンや木綿糸、テグスやモスラインなどを使います。
前者は時間とともに溶けて無くなりますので活着力の強いモスに使用します。
逆に後者の2つは溶けることがありませんので活着力の弱いモスに使うと良いでしょう。
水草用の接着剤を使用する方法もありますが、どうしてもはみ出してしまって見栄えが悪くなりますし、均一にうっすら巻くのが大切なモス類には不向きでしょう。
とは言え後から活着させたい場合などには使用することもあります。
巻き方
流木にせよ岩にせよ、モス同士がなるべく重ならないように薄く巻くと最終的にキレイに仕上がります。
巻く前に1~2センチほどに刻んでおくと新芽が多く出てきてより早く茂らせることが出来ます。
例えば流木に活着させる場合。
最初は1cmほどの間隔になるように全体を抑えるように巻いていきます。
折り返したら少し間隔を狭めて5mmほどの間隔にしてスタート地点まで戻ってきます。
巻き終えたら糸の間からはみ出している部分をカットしましょう。
この作業をすると成長したときに均一に生え揃います。
最後に水でトリミングカスを流してあげると水槽内に余計なモスを持ち込まなくて済みます。
岩に活着させる場合もやることは同じです。
モスのトリミング方法や増やし方
トリミング方法その①~ハサミで切る~
再び成長したときにキレイに仕上がるのはハサミで切る方法です。
活着させたときのように素材ギリギリのところでカットします。
難点はどうしもトリミングくずが水中に舞ってしまうこと。
ホースで吸いながら行えば極限まで抑えることはできますが、それでも散らばってしまう場合があります。
そのまま予期せぬところに活着してしまうので注意が必要です。
一番良いのは取り出せる素材であれば取り出してからトリミングすること。
この方法をとることが出来るおすすめのレイアウトはこちら。
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トリミング方法その②~手で千切る~
水中でトリミングしなければならない場合に、簡単且つスピーディーに出来るのは手で千切る方法です。
この方法ならばくずが舞うことも防ぐことが出来ます。
ただし一気に引っ張ると自分の思った以上に剥がしてしまい、せっかくのモスがまだらになってしまう可能性があります。
そうならないように繊細な力で少しずつ千切っていくのがおススメです。
ただし、活着力の弱い種類や、成長しても丈の短いモス類には向かないので注意が必要です。
モスの増やし方
モスを増やす方法はかんたん。
トリミングしたくずを再び何かに巻き付けて活着させるだけ。
この方法で無限に増やしていくことが出来ます。
低光量や低水温にとても強いので、そこまでの設備が揃っていない水槽でもストックしておくことが出来ます。
おすすめのモス4種類
ウィローモス
モスの定番といえばこれ、ウィローモスです。
ウィローモスは特に流木に活着させてこそその魅力を発揮するでしょう。
モスがいい感じに生した流木ほど自然観を出してくれる素材はありません。
モスの中では抜群に活着力が強いのでモスコットンや木綿糸の使用がおすすめです。
丈も長くなりますので上手く千切るトリミング方法を駆使してキレイに育てましょう。
あまり長くなると下の方に光が当たらず茶色く枯れたようになりますので注意します。
ちなみにモス全般に言えることですが、茶色くなったと思っても完全に枯れてはおらずそこから復活することがよくあります。
そういった場合でも環境を整えて諦めずに再び新芽が出てくるのを待ちましょう。
南米ウィローモス
三角形の形が独特な南米ウィローモスはまた違う風情を水景に与えてくれます。
その形状に加えてしっかりとボリューム感もありますので、岩などに活着させて前景草のように使うといい塩梅です。
活着力は弱いのでテグスかモスラインを使用します。
トリミングに関しても、手で千切るよりはハサミを使いながら根元からごっそりと取れてしまうのを防ぎましょう。
前述のようにモス類は成長が遅いのでどうしてもコケが付着しやすいです。
特に黒髭ゴケなどが付いてしまった場合は諦めてその部をカットしてしまったほうが結果早く生え揃います。
ウォーターフェザー
まさにフェザー(羽)ような軽やかさと優雅さを兼ね備えたウォーターフェザー。
ふわふわとしたその草姿は柔らかい印象を水景に与えます。
モスの仲間の中ではその独特の姿から少し異質な存在ではありますが必ずや水景をさらに魅力的に飛躍させてくれるでしょう。
南米ウィローモスと同じく岩などに活着させて使用するのがベター。
活着力が強いのでモスコットンもしくは木綿糸で巻いていきます。
あまりお互いが重ならない生えかたをしますので手よりはハサミでカットしたほうがトリミングがしやすいです。
これもモス類全般に言えますが、エビの糞などが堆積しやすくその結果調子を崩すことがあります。
水換えの際には吹き飛ばしたり吸い取るなどして常にキレイにしておくことを心がけます。
最後に
例えば流木を多く使用したレイアウトの場合。
モスが有るのと無いのではその完成度には雲泥の差が出ると言ってよいでしょう。
それほど水草水槽において重要な水草がモスです。
育成自体も注意点さえ守れば容易ですし、是非積極的に取り入れていきたいですね。
モスを有効に使って自然感満載の素敵な水景を創りましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!