こんにちは!MizukusaNewbieです。
前回までにビオトープの立ち上げ方から維持管理方法まで解説をしてきました。
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【初心者向け】ビオトープを始めよう!その③【維持管理編】
前回まではビオトープを始めるにあたっての準備と、実際に立ち上げる作業についてお話をしました。今回はビオトープを管理、維持していく方法についてもう少し詳しく解説していきます。
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いよいよ寒くなってきて、そろそろビオトープの冬支度を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方々へ、どのようにしてビオトープを越冬させたらよいのかについて解説します。
CONTENTS
基本的に植物はそのまま放置
植物も勝手に冬支度に入っている
みなさん自分のお気に入りの水生植物を植えてビオトープを楽しまれましたか?
そんな植物たちも秋になれば今までの元気さが無くなったり、やがて枯れてしまいます。
なんだか寂しい話ですがそれが自然、いわゆる”ビオトープ”というものです。
そんな中で植物たちはしっかりと冬を越す準備をしています。
例えば睡蓮は開花時期を過ぎれば来る春に向けてしっかりと栄養を蓄えています。
メダカのお供によく使われる沈水植物のマツモは冬芽と呼ばれる越冬用の芽を出します。
トクサやフトイなどの抽水植物も根がしっかりとしていれば、余程凍ったりしない限り再び春を迎えれば新芽を出してくれますので心配はありません。
大事なのは根をしっかりと太らせ、そのままの土で保護してあげることです。
植え替えや株分けのタイミングは3~5月頃
ビオトープの水景を変更したいから水生植物を植え替えたい。
お気に入りの植物を株分けして増やしたい。
そんなことが出来るのもビオトープの魅力の1つですが、それは次の春まで我慢しましょう。
基本的に多くの水生植物の植え替えや株分けは3~5月頃に行います。
今はとにかく冬を越させるためにそっとしておいてあげるのが無難です。
植物によっては屋内退避をさせなければならない場合も
水生植物には当然あまり寒さに強くない種類もあります。
おもに日本に自生している以外の植物たちです。
白い可愛らしい花を咲かせることから人気のシラサギカヤツリ。
育成自体はむずかしいところはありませんが寒さへの耐性が低く、寒冷地では屋内に入れてあげたほうが良いでしょう。
独特の傘のような形が涼し気なミニシペラスも同様に寒さには強くありません。
そういった植物を使ってビオトープを作る場合は、睡蓮鉢などの小さな容器を使うか園芸用の鉢に植えた状態で楽しむとよいでしょう。
冬になったらそのまま屋内に退避させることが可能です。
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メダカなどの生体も状況に応じて移動を
しっかりと成長した個体ならばそのまま越冬できる
寒さに強いとされるメダカは1.5cmほどまで成長していれば十分越冬できます。
ただし環境にもよりけりです。
たとえばものすごく寒くてほぼ全体が氷になってしまうような場所。
水深や水量がほば無く、水温の変化が大きい場合。
これではさすがの成魚でも厳しいでしょう。
まだ稚魚である場合も外での越冬は基本的に難しいです。
そういう場合は屋内での加温飼育も視野に入れなければなりません。
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グリーンウォーターは水温の変化を抑制してくれる、餌の代わりになる等、一年を通してメダカの飼育に大変心強い味方です。
ただし夏を過ぎた季節にグリーンウォーターを自然に作るのはなかなか難しいです。
それまでにあらかじめグリーンウォーターをストックしておく、もしくは市販のクロレラなどで強制的にグリーンウォーターを作るという手もあります。
実際のビオトープの冬支度
ごく普通のビオトープの場合
先ずはこちらのビオトープ。
使用しているのは60リットルのトロ舟です。
このようにトロ舟などを使用したビオトープの場合、一番手っ取り早く且つ確実な方法は発砲スチロールの蓋を浮かべておくことです。
発砲スチロールは保温性が高く、どこでも手に入れることが出来るのでとても有用です。
私は真ん中をくり抜いてアクリルの蓋を被せ、採光と中の確認が出来るようにしています。
余程の寒冷地でない限りこの方法で冬を越せるはずです。
少し手の込んだビオトープの場合
こちらのビオトープも同じく60リットルのトロ舟を使用しています。
前者と違うのは苔や植物を植えた陸地の部分があること。
こういった場合は全面に発砲スチロールを浮かべるわけにはいきません。
一応この流木内がトンネルになっていて生体が身を隠すことが出来るようにはなっていますが、そこまで水深がないのでそれだけでは少し心配です。
もちろん小さめの発砲スチロールで上手く隙間を埋めたり、陸地の部分に沿って発砲スチロール自体を加工することも出来ますが、拾ってきた落ち葉を入れて寒さから身を守る布団替わりにするという手もあります。
ビオトープという観点からすれば一番自然に近い方法といえますが、デメリットもあります。
先ずは汚れていないキレイな落ち葉の確保の問題。
次に沈んだ落ち葉が多少なりとも水質に与える影響。
そして春になって落ち葉を取り除く時に、生体を一緒に挟んで取り出してしまわない様に注意しなければならないことです。
となると発砲スチロールを使用したほうがやはり何かと安心ですしおススメです。
育成用ビオトープの場合
こちらはビオトープというよりは植物育成プラントとして使用しています。
それぞれの鉢に色々な植物を植えて沈めています。
オモダカやウォーターマッシュルームなどの抽水植物から、ショートヘアーグラスやロタラ類なんかを水上葉化させてストックしたりもしています。
水草水槽で使いたくなったらすぐに補充出来てとても便利です。
こちらも水面に浮かべられる部分にだけ小さめの発砲スチロールをしようして対応します。
仕上げに園芸用ビニールハウスを使用
園芸用の小さなビニールハウスで覆って冬支度は完了です。
このビニールハウスは簡単に組み立てることが出来るうえに、夏場はフレームだけを使用して雨除けの波板や日除けのヨシズを乗せることも出来ます。
このように年間を通して活用することが出来大変便利なアイテムです。
ちなみに私がビニールハウスを使用するのは冬場がマイナス10℃になるのも珍しくない極寒地域に住んでいるからです。
比較的温暖な地域にお住まいでしたらビニールハウスまでは必要ないかもしれません。
ですが前述のように色々な使い方が出来ますので持っていて損はないアイテムです。
メダカの餌やりについて
メダカがもっとも活発に活動する水温は20℃から28℃です。
水温が15℃を下回るころから活性が低くなり、10℃より下がれば餌はほとんど食べず、5℃以下になれば冬眠に入ります。
活性が低くなれば消化も悪くなりますので、夏場のように餌をあげすぎないように気を付けましょう。
水温に合わせて少しずつ餌を減らしていくイメージです。
最終的に餌をまったくあげなくなって大丈夫なのか不安になるところですが、しっかりと夏から秋にかけて栄養を蓄えたメダカなら問題ありません。
表面に氷が張ったとしても、その下で植物もメダカもじっと春を待っています。
最後に
夏の間うんと楽しませてもらったビオトープが冬眠に入るのはなんだか寂しいものです。
ですが、寒さに耐え、再び春になって芽吹きはじめる命を感じ取る喜びもビオトープの醍醐味のひとつかもしれません。
冬眠の間に、来年はこんなビオトープを作ろう、こんな植物を育てよう、あのメダカを育ててみようなんて構想を練るのも楽しいものですよ。
最後までご覧いただきありがとうございました!