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【実録】ショートヘアーグラスのコケ撲滅作戦【黒髭ゴケ・糸状ゴケ】

2021年6月3日

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【実録】ショートヘアーグラスのコケ撲滅作戦【黒髭ゴケ・糸状ゴケ】

2021年6月3日

こんにちは!Mizukusa Newbie です。

あと少しでロタラの丘が完成し、水景としてもひと段落を迎えるはずだった30センチ水槽。

ところがある時気付けば流木に黒髭ゴケらしきものが。

同時に前景草のショートヘアグラスに白いモヤモヤゴケがつき始め、それがだんだんと芝生を侵食しているではありませんか。

せっかくあと一息というところで今までの苦労を水の泡にされてたまるものかという訳で今回は黒髭ゴケ及び白いモヤモヤゴケをきれいに消し去る為の作業記録です。

はたして厄介なコケを退治して無事にイメージしていた水景を完成させることができるのでしょうか。

ショートヘアーグラス
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その前にこの水槽の現在の状況など

詳しくは以前の記事を参考にしていただければと思います。

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それに加えて、

  • 水換えは週に1度、3分の1。
  • 液肥はトロピカの茶液を毎日0.4㎖。
  • 夜間エアレーションなし、CO2は発酵式のため夜も多少添加されている。
  • 生体はラスボラ・エスペイが6匹、ヤマトヌマエビ1匹、ミナミヌマエビ多数。

以上となっております。

コケが発生し出した思い当たる理由は

コケが出始める少し前に大がかりなトリミングをした

30cm水槽という狭い空間の中で半分ほどの植栽面積を占めているロタラ系3種。

ロタラの丘をデザインするためにどうしても一度にトリミングをする必要があります。

ココに注意

トリミングをするということは水槽内の余分な栄養を吸収してくれる水草の量を減らしてしまうということです。一度に大量のトリミングをすると水槽内の栄養のバランスが崩れ(富栄養素化)コケの発生に直結します。水草ごとまたはブロックに分けてタイミングをずらしながらトリミングすることが望ましいでしょう。

水槽内の約半分の働き手が一気に一時的にいなくなるわけですから残された水草たちでは手に負えないということになります。

ちなみに水中の余分な栄養をよく吸収してくれるのは成長が早い有茎草です。前景草は全般的に吸収能力が高くありません。

その様なわけで水槽内が富栄養素していたことが考えられます。

生体をメダカの幼魚10匹からラスボラ・エスペイ6匹に変更した

これまではメダカの幼魚10匹飼っていましたが、メイン水槽にお引越ししたため新たにラスボラ・エスペイ6匹投入しました。

メダカは水を汚す魚と言われていますがそれでも幼魚だったのでとりあえずは大丈夫でした。

今回投入したラスボラもサイズ的にはまだまだ小さいですがそれでもメダカの幼魚よりはひと回り大きいです。

熱帯魚は初めてなのでどのくらい水を汚すのかわかりませんが、大きい分排泄量も多いはずです。

さらに餌も熱帯魚用にチェンジしましたのでそこらへんも環境を変えてしまった原因かもしれません。

使用開始から約6か月、ソイルが劣化し始めた

私が使用しているJUNプラチナソイルはいわゆる吸着系ソイルです。

安価で使いやすく初心者でも扱いやすいソイルということで使用しています。

最初は余分な栄養をばっちり吸収していてくれたソイルもいずれ吸着力が低下してきます。

そしてそれは約半年くらいから始まるそうです。

この水槽を立ち上げてから4ヶ月と少し。

まだ半年には達していませんが、実はこのソイルは中古なのでした。

2か月間ほど外で水草を育てるのに使用していたものを、粒もしっかりしているしまだ使えそうだからもったいないということで水槽に移したものです。

ですので足すとちょうど約6か月

ソイルの吸着力低下開始時期とバッチリ当てはまります。

これもコケの発生の原因の一つと言えそうです。

具体的にどうのようなことを実践するのか

水換えを1日於きにする

今まで1週間に1度3分の1だった水換えを、1日於きに3分の1に変更します。

約1週間で水槽内の水が全て入れ換わる計算です。

水換えの重要性については今更言うまでもないですが、とにかく栄養過多になった水槽内環境の改善を狙います。

照明時間を1時間減らし、1週間に1度照明を点灯しない日を作る

照明が水草の成長に対して必要な要素であると同時にコケに対しても同様のことが言えます。

決して長時間とは言えない8時間の照射ではありましたが、とりあえず最低ラインの7時間に変更してみます。

と同時に一週間に1度点灯しない日を設け、コケにダメージを与えたいと思います。

ただし消灯は水草にももちろん影響がありますのでこの間隔とします。

夜間エアレーションをする

これまでは酸素を供給しやすい外掛け式フィルターを使用していることもあり夜間にエアレーションをしてきませんでした。

夜間エアレーションとは

”夜間”エアレーションと言いますがけして夜の間という意味ではなく、照明を使用していない間の時間という意味になります。例えば12時から19時までの7時間が照明を点灯している時間であれば、その他の時間は夜間となります。

しかし水草水槽にはエアーポンプを用いた夜間エアレーションが必須であるという情報が多いです。

水草は照明が当たっているときは二酸化炭素を吸収し酸素を出す、いわゆる光合成をしています。逆に夜間は酸素を吸収し成長します。

つまり夜間は魚と併せて酸素を吸収する側ばかりになるので酸素を供給してくれる存在が不足がちになります。

酸素が不足して困るのは水をきれいにいてくれるバクテリアも同じです。

酸素が不足すればバクテリアの働きが鈍ったり、死滅することもあります。

そうなると水の浄化作用が著しく低下し、油膜の発生やコケの発生を助長することになるのです。

という訳で特に水を浄化してくれるバクテリアを応援する意味でエアレーションを行うことにします。

餌は水換え時を除きいつも通り、液肥も毎日添加することにします

水換え時は少なからず水槽内の環境が変わり魚の体調にも影響が出やすいので餌は与えず、一日おきの給仕とします。

かわいそうな気もしますが、そもそも魚が体調を崩す原因は餌のあげ過ぎが多いです。

少しくらい餌を与えなくても大丈夫ですし、なんならバクテリアなど水中には餌の代わりになるものは他にもあります。

今回は水換え、エアレーションによるコケに対する効果を特に試していきたいので液肥もいつものように毎日今までと同量を添加していきます。

それでは実験スタートです

先ずは開始時の水槽の様子

流木に付いた黒髭ゴケ。

そしてショートヘアーグラスについた白いモヤモヤゴケ。

果たして上記の対策でコケを撲滅することが出来るのか、そして一体何日かかるのか。

気長に取り組もうと思います。

開始から1週間経過

1週間では当たり前かもしれませんがほぼほぼ変わらないという状況です。

変わらないということは増えてもいないということです。

とりあえず水がキレイになってコケの発生を抑えられているとみてこのまま続けてみたいと思います。

開始から3週間経過

増えている気が...

特に流木に付着している黒髭ゴケが全体に拡がったようです。

ショートヘアーグラスについた白いモヤモヤゴケは立派な黒髭ゴケにグレードアップ。

どうしてなんだろう。

さらには丈夫なはずのロタラ類やミリオフィラムの元気も無く、ベトナムゴマノハグサも頭頂部が委縮してしまっています。

これは抜本的にやり方を見直す必要があるかもしれません。

一か月経過、抜本的に対策を見直してみる

1ヶ月が経ちましたが状況が好転することが無かった為、今までの対策を以下のように変更することにしました。

水換えの頻度を週に1度、3分の1に戻す

水換えは確かに水槽内の余分な栄養を排出し、水質の富栄養素化を改善する効果があります。

ですがそれも長い期間やりすぎるのも問題があることがわかりました。

具体的には、

  • 硬度が上がってしまう
  • phも上がってしまう
  • 生体に負担がかかる

ここら辺の詳しいことは先人にお任せするとして、とにかく水草を元気にきれいに育てるには弱酸性の軟水だと言われています。

ですが、地域差こそあれ日本の水道水は中硬度弱アルカリ性なことが多いようです。

つまり水換えを頻繁に行うと硬度が高い状態とphもアルカリ寄りの状態が続くということになります。

水草がCO2や肥料を吸収しやすいのは弱酸性ですので、水草が調子を崩してしまったのも納得がいきます。

水草が調子を崩せば水中の不要な栄養を吸収する能力が減り、その分コケにその栄養がまわってしまいさらにコケが増殖するという悪循環に陥る訳です。

さらには少量ずつとはいえ水質の変化は熱帯魚にもあまりよろしくないということで水換えは元のように週に1度3分の1の量に戻すことにしました。

液肥の量を0.4mlから0.2mlにする

液肥はトロピカの茶液を使っています。

この液肥の添加量は30センチ水槽の水量約10リットルにはだいたい日割りだと0.2mlくらいが適量のようです。

しかし、ついつい水草を元気に育てたいという思いから倍近い量を添加していました。

ただこれも水草には良くなかったようです。

カリウムが過多の場合の症状として、水草の登頂部がいじけてしまうというのがあります。

まさに私の水槽の状況です。

また、トロピカの茶液にはカリウム以外にも微量元素が含まれていてコケの発生した場合はこれらは控えた方が良いという情報もあります。

ですのでとにかく規定量に戻して水草の元気を取り戻すことを狙います。

濾過フィルターを外掛け式から外部式フィルターに変更する

これが1番の変更点になろうかと思います。

これまでは手軽で簡単な外掛け式フィルターを使用してきました。

ですがやはりろ過能力もろもろで外部式フィルターに敵うはずもありません。

とにかくバクテリアの力を借りて水質改善を行います。

ちなみにバクテリアが水をキレイにする過程で出すのが水素になりますが、この水素の量=水素イオン濃度=phということになります。

バクテリアが沢山働いてくれることでphも下がるというわけです。

いかにろ過バクテリアの働きが大切かが分かってしまった以上フィルターは換えざるを得ません。

という訳で30センチ規格水槽には最適だと思われるGEXメガパワー2045を導入することにしました。

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ヤマトヌマエビを7匹体制にする

苔取り要員としてこれまではミナミヌマエビが多数でヤマトヌマエビは1匹というラインナップでした。

しかし苔取り能力という点では圧倒的にヤマトヌマエビが優勢ということは私自身も他の水槽の様子から実感しています。

という訳で30センチ水槽としては少し多い7匹ヤマトヌマエビを投入することにしました。

とにかく新たに発生するコケを食べてもらいながら、水槽環境改善によって弱ってきた髭ゴケも頑張って食べてもらいたいと思います。

改めて撲滅作戦を開始します

開始から1週間経過

さすがに一週間では変化はみられませんね。

流木にもショートヘアーグラスにも髭ゴケがびっしりとへばり付いています。

開始から3週間が経過

 

流木の黒髭ゴケがかなり減ったことが実感できます。

そしてショートヘアーグラスのコケについてはまだ少しあるものの、ヘアーグラスの線1本1本がしっかりと見えるようになってきました。

そしてメガパワー2045にしてから明らかに水がピカピカになりました。

開始から約1か月が経過

流木や石の髭ゴケは付着したままですが、ショートヘアーグラスの髭ゴケはほぼほぼ無くなりました。

まとめ

抜本的に対策を見直して約一か月。

撲滅とは言わないまでも髭ゴケをほぼほぼ退治することが出来ました。

流木や石についた髭ゴケは正直まだ残っているのですが、これらに関してはブラシで擦ったり、取り出して処理をすることが出来るので大丈夫でしょう。

実験の効果を試すために敢えて最初にそれらに対する物理的処理を行いませんでしたが、本来は可能な限り最初に髭ゴケを取っておいてから対策をすると効率が良いでしょう。

今回髭ゴケを退治した方法をまとめると…

  • 極端な水換えを適度な頻度にもどした
  • 液肥の添加を規定量にした
  • 夜間エアレーションをするようにした
  • ろ過フィルターを外掛け式から外部式に変更し、ろ過能力をupさせた。
  • ヤマトヌマエビを普段より多めに投入した

となります。

ただし水換えに関しては余分な栄養素を排出するために最初の短い期間は生体や水質に影響を与えない程度で高頻度にした方が良さそうです。

こうやって見てみると、ろ過フィルター交換とヤマトヌマエビの量以外は何か特別なことを実践したというよりはごくごく当たり前のことを当たり前のやり方に戻しただけということに気づきます。

大事なのはその水槽のサイズ、水量、水草や生体の量などに合った基本的なことを忠実にしっかりと行うということなんですね。

水草水槽を続けていく中でこれからもコケを含めてきっと色々な問題に直面すると思いますが、そういう時こそしっかりと基本に立ち返るということを忘れずに精進していきたいと思います。

”髭ゴケは諦めなければ必ず消すことが出来る”

最後までご覧いただきありがとうございました!

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