こんにちは!MizukusaNewbieです。
初心者の私がネイチャーアクアリウムに挑戦するこのシリーズ。
前回は立ち上げから4か月を過ぎてモスをはじめとした陰性水草の調子が悪くなり、あの手この手を使って何とか盛り返そうと奮闘するも結局どれも上手く行かなかったというお話でした。
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ネイチャーアクアリウムに挑戦④~絶不調から試行錯誤でなんとか盛り返す・前編~【初心者の水草水槽】
60cm水槽で初めてのネイチャーアクアリウムに挑戦!第4回目の今回は絶不調に陥ってしまったこの水槽を、あの手この手で復活させる過程のお話前編です。
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第5回目の今回は”絶不調から試行錯誤でなんとか盛り返す・後編”ということで、自分的にはさほど重要視していなかった点がこの水槽の環境を変えてくれたおかげでいよいよ盛り返すことが出来た、というお話です。
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結論から言うとそれは”水流”でした
前回の記事をご覧いただければわかる通り、かなりの時間を費やして考えられあるあの手この手を駆使しながらモス及びミクロソリウムやボルビティスの復活を画策してきました。
水換えの頻度、水温、液肥のバランスなどなど。
しかしながらどれもさほど効果として現れませんでした。
じゃあ一体どうしたら良いのかと半ば諦めかけていた時、ふとまだ試していないことを思い出しました。
それは水槽内の”水流”です。
というか見逃していたというより、これくらいで充分だと思い込んでいたからです。
水流を”これくらいで充分”と思い込んでいたわけとは
どちらかと言えば生育が難しい部類に入るコブラグラスをはじめ、シペルス・ヘルフェリーやエリオカウロン・ソーシャルフェザーダスターなどの陽性水草はこの期間もコケが付くことなくしっかりと成長していました。
特に黒髭ゴケの影響を受けやすいコブラグラスは一時的にその被害に遭うも、水換え等の施策によって改善後は安定して育っています。
ここに私の私の思い込みが発生しました。
というよりはどちらかというと黒髭ゴケ発生への過度な恐れと言ってもよいかもしれません。
水草水槽に於いて黒髭ゴケほど厄介な相手はいません。
見た目を悪くする上にどんどん増えて除去にも一苦労です。
そんな黒髭ゴケのつかないこの水槽の水流はちょうど良いのだと思い込んでいました。
というのも黒髭ゴケの原因の1つに強すぎる水流があるからです。
黒髭ゴケの原因
そもそも黒髭ゴケとは
黒髭”ゴケ”と呼びますがいわゆるウィローモスなどの苔と違い、水中にしか存在しない藻類に分類される植物の一種です。
黒髭ゴケは紅藻類、立ち上げ時にガラス面に付く茶色いコケは珪藻類、緑のベトッとしたのは藍藻類に分類されます。
黒髭ゴケが水草水槽において厄介な点は、
- 黒くて見た目が悪い
- ドンドン増殖する
- ガラス面、石や流木といった素材、水草など何にでも付く
- ヤマトヌマエビなどのコケ取り生体があまり食べない
といったところでしょうか。
けして退治出来ないわけではないのですがやはり手間がかかります。
原因その①~過剰なリン~
リンについて
植物の三大栄養素といえば窒素・リン・カリウムですが、リンに関しては餌の食べ残しなどから供給される分で基本的には事足るとされています。
熱帯魚などに与える餌にはリンが含まれていますので、食べ残しが多いと必然的にリン過多の状態になります。
目安として2~3分で食べきれる量を与えるとよいとされていますが、実際にはもう少し少なくても大丈夫な気がします。
原因その②~強い水流が当たる場所~
未だ確固たる理由を明記した情報には巡り合ったことがありませんが、概ねこのことが理由の1つとされています。
確かにリリィパイプなどから吐出された水が最初に当たるコーナー付近では髭コケの発生率が高い気はします。
水草にちょうど良い水流は葉が少し揺れる程度とのことですが、どうしても強いところと弱いところが出るのは致し方ありません。
水流についてもう一度考えてみる
前述の通り黒髭ゴケの出ないこの水槽の水流をちょうど良いと思っていた私ですが、これを機にもう一度見直してみることにしました。
具体的には恐らく水流の妨げになっているであろう、右側後方のシペルスと左側後方のエリオカウロンを取り去るという策です。
両者とも水面をたなびく姿を楽しむ水草ですが、それゆえに低床から水面辺りまでを塞いでしまい水流の妨げになっていると思ったからです。
もちろんこの水槽の流木が高さもあり、尚且つ量も多いということも原因としてあるでしょう。
ただし流木に関してはレイアウトのコンセプトからもどうしても取るに忍びなく、とりあえず水草のみで様子をみることにしました。
結果水が回るようになった
先ず水面辺りの水流ですが、ぐるっと一周して吐出口あたりまで戻ってくるようになりました。
水中はというと、今まで揺れていなかったところの水草が揺れるようになりました。
つまり水中においても水の流れが改善されたということになります。
というわけでこれでダメならもう万策尽きたといった感じでしばらく見守ることにします。
すると...
陰性水草が元気を取り戻した
先ずは茶色かったモスが緑色になってきた
具体的には茶色かったモスから新芽が出るようになりました。
そしてモサモサッとなんとなく表面に付いていた綿状のコケも消えてきました。
何か月もの間、何をしても茶色かったモスが息を吹き返してきた様子をみて思わず大きくガッツポーズをしてしまうのでした。
ミクロソリウムやボルビティスも盛んに新芽を出すようになった
実は水流を見直す前に、ミクロソリウムもボルビティスも茶色く変色した葉が多くなってあまりにも見栄えが悪いので全体的にかなり葉を落としました。
それこそ茎だけになるくらいの勢いで、です。
ただやはりモス同様に新芽が出ることもなくこれはちょっとダメかもと諦めかけていた矢先、ドンドンと茎を伸ばし新芽を展開し始めたではありませんか。
そして両者ともに葉に沢山の気泡を付けてくれています。
有茎草がこれくらいの気泡を付けているのはもちろん目にしたことはありますが、陰性水草がこれだけの気泡を付けるとは思わず感動すら覚えました。
それだけでなく前景のコブラグラスからもよく気泡が上がったりと、水草全体の活力が上がっている印象です。
この結果を受けての考察
私がこの”絶不調から試行錯誤でなんとか盛り返す編”を通して陰性水草に対して感じたことは以下のとおりです。
- 水質はいわゆる一般的な水草の育成に適した弱酸性の軟水寄りで良い
- 照明の点灯時間は7時間ないし8時間あれば十分
- CO2は60cm水槽であれば1秒に1滴
- 水換えは通常通りか少し多めくらいで良い
- 水温は23~24℃の少し低めに設定
- 液肥は基本的にカリウムと微量元素が中心で様子をみて窒素を添加する
- キレイな水が行き渡るような水流を確保する
陰性水草といえばCO2添加・栄養ともに必ずしも必要のない丈夫で育てやすい水草であると紹介されることが多いと思います。
ですが今回の試行錯誤で学んだように基本キレイな水を有茎草以上に必要とする実は繊細な水草なのではと感じます。
さらにはコケが付きやすかったりシダ病という特有の病気になったりと育成が難しい部類に入るんじゃないかとすら思うほどです。
どうしても水草の調子が悪いとき、栄養であったり水質・照明等に意識が向きがちになります。
基本的にキレイな水が絶えず流れるところに生息している水草のことを考えれば、少しでもその環境に近づけるべく水流をしっかりと確保することがとても重要なであると改めて勉強させてもらいました。
最後に
というわけで陰性水草もなんとか調子を取り戻し、あとは当初思い描いていた水景を目指してもうひと踏ん張りといったところです。
少し慣れてくるとついつい疎かになりがちな基本的なことを忘れず忠実にこれからも水草を育成していきたいと思います。
次のこのシリーズでは”完成編”として皆様に紹介できることを願います。
最後までご覧いただきありがとうございました!