こんにちは!MizukusaNewbie的水草図鑑。
今回ご紹介するのはそのワイルドさが魅力的な前景草”コブラグラス”です。
まるでコブラが頭を持ち上げているような草姿からこの名前が付いたそう。
ところが学名はLilaeopsis(ギリシャ神話に出てくるLilaeaという女性の名前から)brasiliensis(ブラジルの)という非ワイルドさ。
一体どのような水草なのか早速ご紹介していきます。
CONTENTS
育成環境データ
水槽 | 60cm規格水槽 |
照明 | ADA・アクアスカイRGB 7~8時間 |
CO2 | 約1秒に1滴 |
ろ過フィルター | ADA・スーパージェットフィルター・ES‐600 |
低床 | JUN・プラチナソイル・パウダー |
固形肥料 | テトラ・イニシャルスティック |
液肥 | ADA・グリーンブライティ・ニュートラルK |
ADA・グリーンブライティ・ニトロ | |
ADA・グリーンブライティ・ミネラル | |
GH | 3~4 |
PH | 6.5~7 |
水温 | 23.5℃ |
植栽からの時間経過とその様子
植栽時
今回は水上葉を植えています。
いきなりですがこれはダメな見本と言って良いのかもしれません。
というのはこの水草の特性を考えたとき全然植栽量が足りていないからです。
例えばグロッソスティグマやニューラージパールグラスなどを前景に選択した場合、目安の2~3cm間隔で植栽すればあっと言う間に芝生を形成してくれることでしょう。
ですが成長の極めて遅いコブラグラスでその間隔を用いますと、思い描いた状態にたどり着くにはかなりの時間を要します。
私の感覚では同じく細葉タイプの前景草で、こちらも成長の遅いことで有名なショートヘアーグラスよりさらに成長スピードが遅いと感じます。
もちろんこれは育成環境にも左右されますので一概には言い切れませんが、少し植えすぎなんじゃないかな?と思うくらいがちょうど良いと思います。
結局私はこの後2回ほど追加で植栽をすることになってしまいました。
植栽から10日後
水上葉と水中葉ともに草姿に大差はありません。
コブラの頭のように上部が太くなっているのが確認できます。
ちなみに蛇の抜け殻のようなものは枯れた水上葉です。
コブラグラスに限らず、水上葉で植栽したものは大抵の場合一度枯れてから水中葉へと展開をします。
枯れてしまった葉は腐って水を汚す原因になりますので、ただでさえコケの発生しやすい立ち上げ初期には小まめに取り除くと良いでしょう。
植栽から1ヶ月半経過
水上葉はほぼ水中葉と入れ替わりました。
後者は一段と深い艶のある葉でやはりワイルドな雰囲気です。
ソイル内にランナー(地下茎)が展開しているのが確認できます。
ですがやはり遅いです。
同じく水槽立ち上げ時に活着させた、こちらも成長スピードの決して早くない南米ウィローモスが余裕で先に繁茂しかけています。
私が冒頭で多めに植栽することをお勧めした理由がお判りいただけるのではないでしょうか。
その他の水草が繁茂しているのに前景部分だけまだ空き地なんてことは出来たら避けたいところです。
植栽から3ヶ月経過
ウィローモスや南米ウィローモスがそろそろトリミングの時期を迎えようとしています。
かたやコブラグラスと言えば...
相変わらずマイペースな成長を続けると同時に、しっかりと黒髭ゴケの餌食となっております。
どうしても成長の遅い水草はコケにやられがちですがコブラグラスも例に漏れずです。
この水槽は陰性水草が中心ですので液肥に関してはさほど添加していませんし、照明時間もこの時は7時間と短いこともあって水換えの頻度を少し多くするという対策のみでそこまで長引かず退治することが出来ました。
植栽から半年経過
おおよそのソイル部分は隠れたと言っても良いくらいになりました。
よく見るとコブラグラスの間からウィローモスが頭を出しています。
どうしてもトリミングの際に取り除ききれなかったモス類は散らばって至るところでちゃっかりと成長しがちです。
太さが似ている上に、色も紛らわしくて大きくなるまで見逃しがちですが、放置しているとコブラグラスの光合成の邪魔になりますのでマメに取り除きたいところです。
植栽から10か月後
完全にコブラグラスの芝生が出来上がりました。
1本1本が力強く、ワイルドな印象を水景にもたらしてくれます。
同じ細葉系でもより繊細な印象のショートヘアーグラスに対して、ウィローモスやミクロソリウム、ボルビティスなどの陰性水草とのマッチングとしてはコブラグラスの方が私としては自然に感じられます。
コブラグラスのトリミング
コブラグラスはランナーを伸ばして増える水草ですので、重なり合って光が当たらないような部分はトリミングをします。
私の水槽の場合、低床肥料は追肥せず液肥も多くは添加していないこと、さらにはコブラグラス自体の成長の遅さからトリミングの頻度はあまり高くありません。
どちらかというと枯れた葉や、間に挟まっているウィローモスなどを除去する作業がメインとなっています。
コブラグラスに限らず前景草全般をトリミングする際はこのように刃先がカーブしているハサミを使用すると作業がしやすいです。
コブラグラスについて
私がこの水槽の前景草に本種を選んだ理由の一つが比較的低光量でも育成可能だということです。
というのもメインの流木の下に光の届きにくいトンネル部があり、その中も水草を這わせる必要があったからです。
ただ違う情報によればある程度の高光量が必要だという記述もあったりして、果たして上手く育つか心配しましたが問題なくトンネル内も芝生にしてくれています。
また、比較的低水温を好むという点で同じく低水温を好むミクロソリウムやボルビティスとの相性も良いと言えます。
野性味あふれる草姿や色、上記のような特色も含めて陰性水草を中心とした水景を造るのによく適した水草であると思います。
低床肥料が重要だという情報もありましたが、基本的に私は液体肥料のみで育成しています。
低床肥料を追肥していたり、照明の照射時間をさらに長くとっていればあるいはもう少し成長が早かったのかもしれませんが、画像でご覧いただけるとおり陰性水草に併せた育成環境でもとくに問題があるとは感じません。
もちろんその水槽の環境によるところが多いので一概に大丈夫だとは言い切れませんが是非ご参考にしてみてください。
コブラグラスを使ってGet wild and tough!
最後までご覧いただきありがとうございました。