こんにちは!MizukusaNewbieです。
黒髭ゴケ退治に続く水草水槽の厄介者撃退作戦第2弾。
今回の相手はアオミドロです。
こいつには水槽でもビオトープでもホントに悩まされます。
一度発生すると無限に増殖する緑の好敵手。
果たして見事に退治することは出来るのでしょうか。
-
【実録】ショートヘアーグラスのコケ撲滅作戦【黒髭ゴケ・糸状ゴケ】
こんにちは!Mizukusa Newbie です。 あと少しでロタラの丘が完成し、水景としてもひと段落を迎えるはずだった30cm水槽。 ところがある時気付けば流木に黒髭ゴケらしきものが。 同時に前景草 ...
続きを見る
アオミドロについて
そもそもアオミドロとは
アオミドロとはホシミドロ科アオミドロ属の藻類です。
いわゆる糸状コケとよばれる緑色や白い色をした長いコケです。
こいつの厄介な所は一度発生するとその後爆発的に増殖していくこと。
発生初期のものであればヤマトヌマエビなどのコケ取り生体が食べてくれますが、成長して固くなったアオミドロは食べてくれなくなります。
そしてガラスの壁面、器具、そして水草とだんだんとその勢力を伸ばしていき、気付けば水槽内はこいつがメインなんて惨状に。
取っても取っても一向に減ることなくまさにイタチごっこ状態に陥ります。
アオミドロの発生する原因は
その他のコケと同様に一番の発生原因は栄養過多によるものです。
特に緑色のアオミドロが発生したときはその傾向が強いようです。
肥料の入れすぎ、餌のあげ過ぎ、水換え不足などで水槽内が富栄養化しているときは要注意。
面白いのはバクテリアのろ過サイクルが上手くいくようになったタイミングで発生することが多いこと。
ざっくりと言うとバクテリアが水槽内の有機物を上手に分解していくと最終的には窒素になります。
アオミドロは水草よりも窒素分を好みますのでアオミドロにとっては増えやすい環境になるわけです。
とは言えアオミドロが増えるということは水槽内の生物ろ過が上手くいっているということなんだ!などと喜んではいられません。
その他にも高光量、Co2の過剰添加、高硬度、アルカリ寄りの水質が発生しやすい環境要因です。
今回のアオミドロ撲滅作戦の舞台となる水槽
今回の舞台は今から約5か月前に立ち上げた30cmキューブ水槽です。
陽性水草中心のレイアウト、低床にはJUNのプラチナソイルを使用。
照明はアクロ・トライアングルグロウを8時間でCO2はおよそ2秒に1滴。
液肥はADAのグリーンブライティシリーズのニュートラルK、ニトロ、ミネラル、アイアンを各ワンプッシュ。
水換えは5日に1度、量は3分の1という育成環境です。
生体はブラックネオンテトラを7匹、ヤマトヌマエビが目視で8匹、オトシンクルスが1匹います。
立ち上げから茶ゴケ・黒髭ゴケともにさほど発生するもことなく、そういう面ではわりと調子の良い水槽でしたがひと月ほど前にアオミドロが発生し始めてから現在に至ります。
アオミドロの撲滅作戦の内容
ヤマトヌマエビの追加
コケ取り生体界のトップランナー、ヤマトヌマエビを約20匹体制にすべく11匹を新たに追加します。
やはりヤマトヌマエビに直接食べてもらうことほど効果的な除去方法はありません。
ちなみにヤマトヌマエビの30cmキューブ水槽での最適数は5匹あたりです。
これを2、3倍にすることで早期撲滅を図ります。
この時ヤマトの数は多ければ多いほどよいのですが、いずれ役割を終えたときに他の水槽に移すことを考えると現状ではこれくらいが現実的な数かなというところです。
もしこの数で対処できなかった時はさらなる追加を検討していきます。
LED照明とCO2添加オフ&常時エアレーション
ヤマトヌマエビにアオミドロを食べてもらうにはアオミドロ自体を弱らせなければなりません。
それには光(LED照明)を遮ることが有効です。
水草よりもアオミドロのほうが圧倒的に光を必要としますので、LED照明を切って弱らせてやる作戦です。
ここで重要なのは遮光する期間なのですが、水草自体は1週間2週間くらいの遮光では枯れてしまうことは無いので状態を見ながら可能な限り継続していこうと思います。
もちろん余分な光合成はする必要が無いのでCO2添加はカット。
その代わりバクテリアが弱らないようにエアレーションは常時行います。
換水頻度を増やす&液肥はカリウムのみ
水槽内の余分な栄養素を排出してあげることも重要ですので、換水頻度を上げていきます。
とりあえず今までの5日に1度、3分の1の換水を3日に1度、3分の1に変更します。
様子をみながら換水頻度と量は加減をしていきたいと思います。
そして水換えの際、たまにカリウムだけは添加します。
人工的な水草水槽の環境下では圧倒的にカリウムが不足します。
例えば生体がいれば窒素やリンは補充されますし、水換えの際の水道水にはミネラル分があります。
ただしカリウムは添加しない限り水槽内で自然に発生することがないのです。
遮光とは言っても完全に光が当たらないわけではありませんし、少しでも水草に対するダメージは減らします。
いざ作戦開始
先ずは人為的にアオミドロを可能な限り除去します
このようにガラス面やヒーターからまるで髪の毛のように生えているアオミドロ。
手やピンセット、ブラシや激落ちくんなどを駆使して可能な限り除去します。
ここまでひどいと面白いようにごっそりと取ることが出来ます。
水槽から出すと結構艶のある深いグリーンをしています。
感触は丈夫な繊維っぽい感じで、ヤマトヌマエビもこの状態では食べなさそうなことがわかります。
除去後の様子がこちら。
水草に絡んだアオミドロは無理をすると葉自体を千切ったり傷づつけてしまいますので大雑把に取っています。
ここにヤマトヌマエビを投入していざ作戦開始です。
1週間経過後の様子
正直劇的に減ったという感じはありませんが、全体的にアオミドロの勢いが無くなってきた印象です。
ヤマトヌマエビがアオミドロをツマツマしている姿も確認出来ます。
ブリクサに絡まっていたアオミドロは特に除去することが難しかったのですが、明らかに減っています。
この水槽は硬度とpHが比較的高く、元々水草が絶好調ではありませんでした。
それがアオミドロ爆殖の原因でもあると思うのですが、後景のロタラsp.hraもなんとかこの遮光環境の中持ちこたえています。
アオミドロ自体も随分少なくなった印象です。
開始から2週間経過後
驚くことにこの1週間の間でかなりアオミドロが減りました。
ブリクサに多少絡んでいる程度でほぼ撃退と言っても良い状態だと思います。
そのアオミドロもヤマトヌマエビが一生懸命にツマツマしてくれています。
ロタラsp.hraもヒョロヒョロになりながらもなんとか持ち堪えた感じ。
とりあえずアオミドロ自体の撃退には成功と言うことで、ここからは水草の調子を上げることで完全勝利を目指すことにします。
通常の管理に戻す&水質改善を目指す
照明の点灯とCO2の再添加
LED照明を再び開始します。
こちらは通常通り8時間から。
それに併せてCO2の添加も行いますが、こちらは少し抑え気味にしようと思います。
アオミドロが出る前はロタラ・ロトンディフォリアとロタラsp.hraを赤くするために少し多めに添加をしていました。
ですがあまりにもCO2が多いとレイアウト素材の石と反応して総硬度を上げてしまいます。
水草の為の水質改善が目標ですので3秒に2滴くらいで様子をみることにします。
液肥はカリウムとミネラルを規定量のみ
この水槽の液肥はAⅮAのグリーンブライティシリーズを利用しています。
これまではほぼ全ての種類、すなわちニュートラルK・ニトロ・ミネラル・アイアンを添加していました。
とにかく富栄養素化がアオミドロの重大な原因であるため、必要最低限に絞ります。
すなわち必須であるカリウムと微量元素(ミネラル)のみの添加とし、窒素(ニトロ)、鉄(アイアン)は一時ストップします。
前述のとおり窒素は生体がいればある程度供給されますし、鉄に関しては微量元素にも少なからず含まれているからです。
赤系の水草をより赤くするための鉄(アイアン)はアオミドロと水草の調子を見ながら再添加していきます。
カリウムと微量元素のみのおすすめの液体肥料はこちら。
その後の経過
1週間後にはアオミドロが完全に無くなった
ご覧のようにブリクサにわずかに絡んでいたアオミドロも完全に消えてしまいました。
後はいよいよ水草の調子を取り戻すだけです。
今のところ水質はpHが7.2、KHが4、GHが6というところです。
pHもそうですがGHをもう少し落として調子の悪い水草寄りの水質に持っていきたいところです。
さらに詳しく
だいたいの水草は軟水、つまりGH3以下のの軟水を好みます。逆にパールグラス系はGH5以上の硬水を好みます。ただしそれぞれ厳密にこの数値じゃないと育たないわけではありません。
前景のニューラージパールグラスとその他の水草とのバランスを考えて、だいたい中間のGH4あたりに持っていけたらと思っています。
ゼオライトを投入して余分なミネラルを吸収させる
この水槽では深岳石という見た目からしていかにも硬度を上げそうな素材を使用しています。
このような石はCO2を添加することによってカルシウムなどのミネラル分が溶け出します。
それがGHを上げる原因となるのです。
水草が調子よく繫茂しているときはこのミネラル分を吸収、使用してくれるのでGHの上昇を抑えられるのですが、現在のこの水槽ではそれを期待することが出来ません。
という訳で水草が調子を取り戻して本来のサイクルを取り戻す間、人為的にその手助けをしてあげます。
ここで”ゼオライト”の登場です。
さらに詳しく
ゼオライトとは火山活動により生成された多孔質の天然鉱物です。
イオン交換作用で水中のカルシウムなどのミネラル分を吸着してくれるので、水質の弱酸性の軟水化に効果があります。
私の場合は一時的な使用なので画像のように大きな塊を直接水槽内に投入しました。
細かいものを選んでろ材や低床にするといった使い方も出来ます。
ゼオライトを使用してからpHは7、GHは4と水草のなんとか成長範囲内の水質に保てています。
最後に
さらに3週間経過後の様子。
このようになんとか水草全体の調子が戻ってきました。
あとはロタラをトリミングしながら丘にして、ブリクサショートリーフを大きく育てることが出来れば大体本作戦は無事成功といって良いでしょう。
この間約2か月。
確かに長い闘いではありましたが、諦めなければ必ずやアオミドロも撃退することが出来ます。
絶望的に増えたアオミドロを前にすると水槽自体のリセットも考えたくなるところですが、基本的には遮光がメインの単純な作業ですので是非お試しになってみてください。
アオミドロ撃退法まとめ
- 最初に出来るだけ人為的に取り除く
- 2週間までを目途に照明の点灯をやめてアオミドロを弱らせる
- 換水頻度を多くして余分な栄養を排出する
- ヤマトヌマエビを通常の2.3倍投入して食べてもらう
- CO2の添加はストップ、液肥もほぼいらない
- 気長に取り組む
最後までご覧いただきありがとうございました!