こんにちは!MizukusaNewbieです。
外部式フィルターを使用する場合、吐出口にはいわゆる”フロー”とよばれるごく一般的なタイプを使用される方が多いかと思います。
ですが、水槽のサイズや使用する外部式フィルターの流量によってはフロータイプでは水流が強すぎることがあります。
適度な水流は水草水槽にとって大変重要なのですが、強すぎる水流はコケの原因になったり生体を疲れさせてしまったりと悪影響を及ぼしかねません。
という訳でリリィパイプには他に”スピン”タイプと”ポピー”タイプという水流を適宜弱めてくれる2種類の吐出口があります。
そこで今回はこれらリリィパイプ風3兄弟の違いを実際に比較検証してみたいと思います。
先ずは王道の”フロー”タイプから
リリィパイプ風といえばこれ。
王道とも呼ぶべき完成された形が何とも美しい吐出口です。
透明なガラスは水景を決して邪魔することはありません。
それどころか積極的に見せていきたいほどの美しさ。
本家と比べると若干ガラスの厚みがありますがさほど気になりませんし、これはこれなりに丈夫そうで安心感があります。
今回使用するのは現在実際に稼働中の60cmプラント水槽、接続する外部式フィルターは60~90cmの水草水槽に適したエーハイム2215です。
60cm水槽×2215はとてもメジャーな組み合わせ。
ろ材は全容量に対して8割ほど入っており、流量的にも通常の使用環境とほぼ同じ条件下での検証と言えます。
右側手前に吐出口、同じく右側奥側に吸水パイプを設置します。
早速電源を入れてみます。
ご覧のようにどちらかというと直線的に水が出てきます。
外部式フィルターが吐出した勢いそのままに、といった感じです。
水面の水の流れはこのようになります。
青色が良く流れる、水色が流れる、オレンジ色がそこそこ流れる、赤色がわずかに流れるです。
フローパイプの場合、対面に向かって流れた水が角々に当たってちょうど円を描くようにまた出水口に戻ってくるイメージです。
次は水中での様子を水草の揺れで表してみます。
水槽手前側を大きい丸、奥側を小さい丸で表しています。
青丸が水草が良く揺れる、水色が揺れる、オレンジが少し揺れる、赤丸がほぼ揺れない、となります。
こちらは水面の流れをそのまま反映したような水流です。
対面の角が一番水流が強く、フローパイプの真下や吸水パイプの角はあまり強く流れません。
レイアウトにもよりますが、強い弱いの差さえあれど基本的に水流の行き届かないところが無いため水の滞る場所は発生しないでしょう。
吐出口として”フロー”タイプが最もメジャーである理由がここにあります。
次は独特の存在感の”ポピー”タイプ
全体が丸い独特の可愛らしい形をしています。
サイズ的には三者とも大差ないのですが、存在感という点ではこれが一番かもしれません。
吐出された水が一度丸い球体内側の壁面に当たり、斜め上に向かって出水するような仕組みです。
そうすることによって水流を一段階弱めてくれます。
水面の水の流れはこのようになります。
例によって青色が良く流れる、水色が流れる、オレンジ色がそこそこ流れる、赤色がわずかに流れるです。
フロータイプと比べるとワンクッションある分だけ水面の流れは幾分か弱くなります。
流れの向きとしてはフロー同様に円を描くような流れになります。
決定的に大きく違うのは水面の水の揺れです。
斜め上に吐出する分、水中に完全に沈めても水面をよく揺らしてくれます。
という訳で水中への酸素の供給能力はこの3種類中で最も大きいと思われます。
ココがポイント
水中に酸素を供給する効果的な方法として水面を揺らして大気と接する面積を大きくしてあげるというものがあります。
また、水面から少しでも頭を出してあげれば曝気することも可能です。
ただし多少の水跳ねは覚悟が必要です。
このポピータイプの特徴を利用して他の吐出口には無い使い方をすることが可能でしょう。
次は水中での流れを。
例によって青丸が水草が良く揺れる、水色が揺れる、オレンジが少し揺れる、赤丸がほぼ揺れないを表しています。
一番最初に当たる対面の角はよく水草が揺れていますが、逆に真下と吸水パイプ近くはほぼ揺れていなという結果に。
フロータイプから全体的に水流が弱まった感じという印象です。
強い水流が苦手なグッピーなどのヒレが長い熱帯魚や、水面あたりを好んで泳ぐメダカなどを飼育するにはちょうど良いでしょう。
かくいう私もこの水槽ではメダカも飼育していますのでこの”ポピー”タイプを使用しています。
最後は”スピン”タイプ
大きさは”フロー”や”ポピー”タイプとほぼ同じです。
ちなみに”スピン”タイプには小型水槽用のひと回り小さいものもあります。
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リリィパイプ・スピンタイプを30cmキューブ水槽用に購入してみた【小型水槽に最適】
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こちらは吐出した水が壁面を伝って回転しながら水流を弱めてくれる仕組みです。
スピン量ハンパないです。
水面から上に出しての使用は基本的に無理と考えてよいでしょう。
さもないとそこら中水浸しになってしまいます。
水中に沈めればそのようなこと無くきちんと水流を弱める効果を発揮します。
水面の水の流れは次のような感じです。
こちらも例によって青色が良く流れる、水色が流れる、オレンジ色がそこそこ流れる、赤色がわずかに流れるです。
スピンパイプから出た水は向かって奥側に流れたあと、渦を巻くように再びスピンタイプの方に戻ってくるイメージです。
真ん中も遠い場所も同じように吐出口に向かっています。
水中での様子はどうでしょう。
こちらも例によって青丸が水草が良く揺れる、水色が揺れる、オレンジが少し揺れる、赤丸がほぼ揺れないです。
吐出口付近はそれなりの水流がありますが中央部は穏やか、最遠部はとても穏やかです。
やはりスピンタイプがこの3つの中で一番水流を弱めてくれる効果があるようです。
ただしやはり独特な水の流れになりますのでどのように使うかはよく考える余地がありそうです。
例えばもうワングレード大きな外部式フィルターを使いたい時や、45cm水槽で水流の強さが気になっている時などでしょうか。
最後に
というわけでフロー・ポピー・スピンの各3タイプを比較してきました。
それぞれにしっかりと特徴があって私自身もとても興味深い検証になりました。
レイアウトや水草の量、飼育する生体の種類などによって上手く使い分けることが出来ればより一層快適な水草水槽ライフを送れそうです。
どのパイプを買ったらいいのかなぁとお悩みの方も是非参考にしていただけたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!