こんにちは!MizukusaNewbie的水草図鑑。
今回ご紹介するのは、程よい大きさと深みのある色合いで水草水槽において抜群の使い勝手を誇るクリプトコリネ・ベケッチーです。
CONTENTS
育成環境データ
水槽 | 45cm規格水槽 |
照明 | Chihiros・WRGBⅡ・PRO 30 |
CO2 | 約2秒に3滴 |
ろ過フィルター | エーハイム・2213 |
低床 | コトブキ・エナジーソイル ノーマル/パウダー |
固形肥料 | ADA・ボトムプラス |
液肥 | ADA・グリーンブライティ・ニュートラルK |
ADA・グリーンブライティ・アイアン | |
ADA・グリーンブライティ・ミネラル | |
GH | 3~4 |
PH | 6.5 |
水温 | 26℃ |
クリプトコリネ・ベケッチーについて
クリプトコリネの中では比較的小柄な種類
クリプトコリネは東南アジア原産のサトイモ科の植物です。
ロゼット型の草姿を持ち、中景に用いられることが多い水草です。
種類によって大きさや葉の色も多種にわたります。
ブセファランドラなどの他のサトイモ科の水草同様に、仏炎苞とよばれる花を咲かせることもあります。
ベケッチーはそれらの中でも比較的小型の部類に入ります。
使い方によって30cmキューブ水槽くらいからレイアウトに取り入れられるでしょう。
環境によって色が緑から薄茶、しっかり目の茶色まで変化します。
鮮やかな色をもつ水草が繁茂した中にクリプトコリネ・ベケッチーのような渋い色の水草があると自然感がグッと増します。
根元を隠すのに便利なロゼッタ型の草姿もあわせて是非植栽してみたい水草です。
育成自体は簡単ですが植栽直後は溶けやすいので注意
クリプトコリネ全般に言えることですが、環境の変化に弱い一面がありますので植栽直後には葉が溶けてしまうことがあります。
葉が前部落ちてしまうような状況でも、根がしっかりとしていればやがて新しく葉を展開し始めます。
茎を傷つけないように一度植栽したら植え直しや移動などをせず、じっくりと根付くのを待つことが大切です。
水質に関してはそこまでうるさいほうではありませんが、他の水草同様に低硬度の弱酸性の環境下でよく育ちます。
水温も陰性水草よりの23℃から陽性水草がよく育つ26℃まで、どの水温でも問題ありません。
ソイルでも砂でもどちらでも育成は可能ですが、ソイルの方が上手く育つ感触をもっています。
陰性水草らしく光量とCO2、肥料は少なくても育つ
陰性水草ですので強い光はけして必要ありません。
中景として少し影になる場所にも植栽することが出来てとても使い易い水草です。
CO2に関しても必ずしも必要はありませんが、添加したほうが若干成長は早くなります。
もともとが成長の遅い水草ですので気長に育てることが大切です。
肥料は低床からの補給を中心に考えます。
立ち上げ初期はソイルから、その後は固形肥料を定期的に施肥しましょう。
成長の遅い水草は栄養の必要量も少ないということですので、用量よりも少しなめで大丈夫です。
増やし方やトリミングについて
クリプトコリネはランナーを伸ばして増殖していきます。
新しい株をランナーから切り離して再び植えこむことで本数を増やすことが出来ます。
成長が遅いので、放っておくとそこらじゅうに出現するエキノドルスのようにはレイアウトを崩しにくく、長期維持の観点からも有難いです。
そのぶんコケの被害にはどうしても遭いやすくなります。
葉が柔らかいのでコケが付着したら葉ごと除去してしまったほうがキレイに仕上がります。
その際出来るだけ根元に近いところから切ったほうが見た目も良く、古い葉が水を汚す原因にもなりません。
成長した株は葉が混み合ってハサミを入れづらいので、手で千切るようにトリミングするのがおすすめです。
なるべく小さく維持したい場合は大きくなってしまった葉を取り除きます。
結果的に根元がすっきりとすることで健康に育成することにもつながります。
植栽からの時間経過とその様子
植栽時
今回は45cm規格水槽での流木レイアウトに中景として用います。
使用するのは組織培養株です。
組織培養株とは、組織片を寒天状の培養地にて育成した水草のことです。
無農薬ですのでビーシュリンプなどの敏感な生体のいる水槽にも用いることが出来ます。
無菌状態で育成されているため藻類ややっかいな貝類の混入のリスクがありません。
半水中葉なので植栽直後の失敗が少ないなどメリットが多いのが特徴です。
前景と後景の間、石と石の隙間など数か所に植えました。
クリプトコリネは傾斜を付けたソイルの土留めとしても有用です。
流木の下など、光量の必要な前景草が育ちにくいであろう場所などでも活躍してくれます。
植栽から2週間
2週間経って他の有茎草は1回目のトリミングを行っていますが、ベケッチーは少し大きくなったかなという程度です。
クリプトコリネによくある初期の溶けは無さそうです。
特徴である葉の茶色もまだこの段階では出ていません。
植栽から4週間後
株によっては葉が茶色を呈してきました。
画像中央は光がよく当たる場所、左後方は少し影になった場所です。
このように植栽場所によっても違いが出てくるのは面白い点です。
植栽から1か月半
小さな葉も展開しはじめてだいぶんとボリュームが出てきました。
古い葉を中心に黒髭ゴケの付着が見られます。
適宜根元から葉を除去すれば新しい葉が元気に育ってくれます。
植栽から3か月
独特の渋い茶色の葉になりました。
鮮やかなグロッソスティグマやミクロソリウムと混じることによって自然感がグッと出ます。
柔らかな葉が水流にそよそよとたなびいています。
底床近くの水草に動きが出るととても涼し気に見えます。
植栽から4か月
4ヵ月で立派な株に成長しました。
45cm水槽ではこれくらいの大きさでもかなりのボリューム感があります。
大きな葉からトリミングをしながらなるべく小さく、中景として前面に押し出さないように維持します。
最後に
クリプトコリネ・ベケッチーは中景草として小型水槽から大型水槽まで活躍してくれます。
渋い葉の色と草姿が一層の深みを水景に表現してくれるはずです。
丈夫で育成もかんたん。
実店舗でもネットでも手に入れることはそこまで難しくありません。
クリプトコリネはその種類の多さからコレクション性も高い水草です。
是非お気に入りのクリプトコリネを見つけてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!